TVアニメ Kanon 第10話 丘の上の鎮魂歌 ~requiem~ 感想
2006.12.09(Sat)
「Kanon」まあ、ぶっちゃけあまり言葉にならない。
どうにもこうにも言葉にならないのが本音ですけど。
とにかく丁寧に綺麗に描かれていたな。
そして、寂しいんだけど暖かい。
それだけは言えると思う。
(TVアニメ Kanon 第10話 丘の上の鎮魂歌 ~requiem~ 感想)
今回はまず見た感想を書きます。その後でちょっと自分の意見を書きます。
(4つの名前のない雪玉)
真琴。
彼女はどんどん人間らしい感情が失われていきました。
上手く喋れない彼女を見てるのは痛々しい。
心が潰れる。
心の何処かでは祐一以外に心を許してはいない真琴。
だけど真琴に対して本当に家族のように接してくれるみんな。
名雪と祐一が見つめる中、真琴が自分で作った4つの雪玉。
それは名前のない4つの雪玉。
祐一と一緒に居られれば、それだけで良かった真琴。
そんな彼女が作った、4つの雪玉――。
別に深くは言いませんが、おれがすごいと思うのはみんなが笑ってるって所です。
悲しい顔を、真琴が目覚めている時にまるで見せない。
心配そうに見つめてはいても、涙だけは彼女の前では絶対に見せない。
それがすごいと思いました。
だから、祐一が名雪に言った「ありがとう」も、すごく素敵に思えるのですね。
(落ちた鈴とともに、消えた奇跡)
物見の丘。
其処にあったのは一面の草原。
溢れていた緑。
それが一瞬にして元の雪原に。
全てが真っ白へと変わりました。
其処にあったはずの奇跡――。
これは其処にあった奇跡が消え去った事を表しているんでしょう。
真琴を優しく包んでいた夢の終わり。
祐一の見ていた夢の終わり。
「ちりんちりん」
振れば、こんなに簡単に鳴り響く鈴の音。
だけど、その呼びかけには誰も応えてくれない。
祐一と真琴の結婚式――。
これはさ、真琴が言っていた事を叶えてあげたい。
この先に待つ別れを知っているからこそ、どうしても叶えてやりたい。
その想いが今はこうなっただけ。
それが彼女の言った言葉だったから。
なあ、真琴はきっと幸せでしたよ。そう信じたいですよ。
しかし、祐一は頑張ったと思いますね。本当に。
(夢の続き)
ラストカットは少女と猫が緑の草原で寝転んでいる場面。
その前に祐一と美汐が話す場面がありました。
同じ夢を見ていた二人。
其処から帰ってきた二人。
春になれば。
もしも奇跡を起こせたなら。
その時に祐一が望む奇跡って。
「そんなこと決まってるさ」
だから、あの最後のカットに心が揺さぶられてくる。
あいつの好きな春。
もしかしたら、あいつはひょっこり帰ってくるのかもな。
そんな雰囲気のあるあいつだから。
もしかしたら、奇跡は続いているのかも知れない。
この解釈は見た人それぞれでしょう。
だけど、自分は本当に素晴らしい終り方をしたと思います。
でも、これは最終回じゃない。
そして、春が来るのは・・・まだ先のこと――。
だけど、祐一の手にはずっと写真と鈴と彼女の温もりが残っているのでしょうね。
(TVアニメ Kanon 第10話 感想補足に続く)
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