秒速5センチメートルの第3話を見て 「懐かしい人へ」
(懐かしい人へ)
昔に・・・くんへの手紙を書きました。
初めて・・・くんから携帯のメールが届きました。
いつしか、何回も桜が散って。
いつしか、何回も雪が溶けて。
繰り返し、繰り返し、そんな光景を見てきた気がする。
昔に・・・くんへの手紙を書きました。
初めて・・・くんからのメールが届きました。
それから、それから、
私はとても懐かしい夢を見ました。
それはあまりに幼かった頃の夢でした。
とても懐かしくって。とても暖かくって。
昔に・・・くんへの手紙を書きました。
初めて・・・くんからのメールが届きました。
"いま・・・くんはどうしていますか?"
そう、私はメールを送ろうと思いました。
やっぱり私はあなたに伝えなければならないことがあるから。
昔なら、きっと手紙だった。
それより昔なら、きっと顔を合わせて話してた。
あなたにメールを送ろう。
だけど、思うように親指が動きません。
それはただ、その小さなボタンを押すだけなのに。
どうしてでしょう。
私はそのボタンを押すまでに、たくさんの事を思い出していたのです。
ただ、その小さなボタンを押すまでに・・・。
"いま・・・くんはどうしていますか?"
昔なら、何の迷いもなく、
昔なら、何の迷いもなく、
どうかどうか、
どうかどうか、
ただあなたのことだけ、見ていた、
いられた、はずなのに・・・。
ねえ、何が変わってしまったのかな。
ねえ、何を忘れてしまったのかな。
ねえ・・・くん。
私のことを、覚えていますか――?




