ゆきどけ
(ゆきどけ)
ころころころころ。
ころころころころ。
ころころ。
ころころ。
ころころ・・・と。
それは窓の外で雪が坂道を転がって行ったの。
それは少しずつだけど、確実に大きくなりながら転がって行ったの。
ごろごろごろごろ。
ごろごろごろごろ。
ごろごろ。
ごろごろ。
ごろごろ・・・と。
すると雪はだるまさんになりました。
すると少しなんて当てはまらないくらいに、でっかい姿になってしまいました。
ごろんごろんごろん。
ごろんごろんごろん。
ごろんごろん。
ごろんごろん。
ごろろごろん・・・と。
するとね、もっと大変。
ちっちゃな雪だまさんは、もうおっきな雪だるまさん。
だけども、この子には目がありません。
だから、どこへ行けばいいのか分からないのね。
そして、どうやって行けばいいのか分からないのね。
ごろ〜・・・ん。
ごろろ〜・・・ん。
ごろろろ〜・・・ん。
ご〜〜ろろろ〜・・・ん。
ご〜〜ろろろろ〜・・・ん。
私はそんな雪だるまさんに名前を付けてあげようと思いました。
うん、きみの名前は「ひよりん」だよ・・・と。
すると雪だるまさんは、きっととってもうれしそうにして坂道を転がって行きました。
そして、
電信柱にぶつかって、
ひよりんは壊れました。
私はそれを見て、とても悲しかった。
とても涙がこぼれて仕方なかった。
だから、ひよりんがまた転がれるように魔法の力が欲しいと思いました。
でも、例え魔法の力があったとしても。
きっと、あの子がまた転がれたとしても。
それは最後にやはり同じ結末を辿ってしまうのでしょうか?
そう思うと、それが私はとても寂しかった。
けれど、どんな雪だるまさんだって、
きっと春になれば、みんな消えてしまうのです。
春が来て、ずっと春だったらいいのに。
だけど、雪だるまさんには冬がいちばん似合うのでしょう。
雪うさぎさんも、雪ねこさんも、雪いぬさんだって。
きっと・・・そうなのかな?
私は冬が好き。
けど、私は春も好き。
どうしてみんな一緒に暮らせないのかなあ?
ころころと、そこでみんな笑えたんだよ。
ごろごろと、そこでみんなお腹がすいたんだよ。
ごろんごろんと、そこでみんな眠れたんだよ。
ごろ〜・・・んと、そこでみんな伸び伸び過ごせたんだよ。
もうすぐ春です。
そしたら、また私はひとりぼっちになるんだわ。
・・・雪が・・・とけないで・・・。
(〜fin〜)
(一言あとがき)
これはなんとなく春が来たな〜と感じましたので、そんな感じで。
まあ以前に書いていた某観想を踏襲した書き方らしいんですが。
だけどさ、春が来て、ずっと春だったらいいのにな。
だって、何より外にいても暖かいし、きっとそれが優しい場所にもなっていると思うから。
自分はとても「春」という季節が好きなのです・・・あう〜。
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