夢から醒めた夢
(夢から醒めた夢)
ここはどこだろう・・・。
あたしは「そこ」に一人で立ちすくんでいた。
そこは光も届かずに、ただ真っ暗な世界だった。
肌に触れる空気はひんやりと冷たく。
それになんだか鋭く尖ってもいるような気がした。
ああ、思わず頭に浮かんだのは・・・DARK。
それは冷たくて鋭い闇の空気。
そして魔王が吐き出す・・・忌まわしき呪文(スペル)――。
それがあたしの体の周りには纏わり付いているのだろうか。
だったら気持ちが悪い。
そんなのはすぐにも取り払わなくちゃいけない。
そう思って、あたしは腕を懸命に振り回した。
だけど、それには触れることも出来ず。
ただ、つかみどころのないものを切り裂くばかり。
その内に飽きた。何となくだるい。
疲れた。痛い。
ああ、これは夢なんだ。
うん、きっと夢の中であたしは泣いているんだ。
それなら朝になれば覚めちゃうから。
そうだよね、これが夢なら覚めてしまえば終わりなんだから。
今はきっと夜なの。
本当のあたしはベッドの上で暖かい羽毛の毛布に包まれてすやすや眠っているの。
そんな当たり前のこと。
だけど、今のあたしが感じている空気は当たり前ではなかった。
うん、だからこそ本当のあたしは眠っているに違いない。
そう思ったら、何だかあたしは眠くなってきたなあ・・・。
あれ?眠くなる?
これが夢ならば、どうしてここでもあたしは眠くなるのだろう。
夢の中でも眠る事が出来るのかしら?
だとしたら、夢の中で眠りについた人って・・・どんな夢を見るのだろう。
現実。
夜。
幻。
夢の中の夢。
それを隔てる境界線って、いったいどこにあるのかな。
いつの間にか、知らず知らずのうちに囲まれていた。
その壁は何ていう名前のコンクリートなのだろう。
あたしの体が動けない。このままじゃあたしは輝けない。
すっとあたしの足が一歩二歩と前へと進んだ。
そのまま前へ。前へ。
すると何もない空間には扉があった。
あたしはその中へと迷いもせずに入り込む。
そのままあたしは闇の中へと溶け込むようにして・・・消えた。
夢を見ていた。
だけど、それは本当に夢だったのだろうか。
だが、それを確かめる術はもうあたしには無かった。
夢から醒めた夢は、また夢に向かって落ちていくしかない・・・。
(〜BAD END〜)
(一言あとがき)
これは以前に「そらから。」のプレリュードを書いた時に作ったんですが。
その中のバッドエンドか何かで入れるつもりだったと。でも、すっかり書いて放置してましたよ。てへり☆
ちなみにタイトルは以前に自分が観た劇団四季のミュージカルから取りました。
「夢から醒めた夢」
これがね、なかなか面白い劇だったのですよ。
この文章とはてんで繋がりはないのでアレなんですけど。
しかし、ミュージカルっていうのはその場にいないと感じられないものがあります。
で、肝心の本編はいつ再開しようか検討中。もはやナンクルナイサの精神ですよ。なんとかなるさ〜。
まあ、ならんかも知れんが。
では、また「そらから。」はその内にすとらいくばっくすしてきますので・・・たぶん。(笑)
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