そらから。 〜so la ka ra〜 short.1 「カフェ・ソラシス 前編」
(そらから。 〜so la ka ra〜 short.1 「カフェ・ソラシス 前編」)
それは授業も4時間目が終わり、お昼休みに入った頃のこと。
「神坂 美空」は昼食を取るため、学院一階にあるカフェへとやって来ていた。
ちなみにカフェの名前は「ソラシス」と言う。
うっわー、どこも席はいっぱいだよ。
これじゃあ、今日は中庭にあるベンチ行きかしら。
そうして、どうしよこまったこまったよ〜・・・
とおろおろしている美空に、
それは空からの助けなのか・・・お声はかかった。
「美空ちゃーん、ここの席が空いてるよ〜」
と、美空がその声の主の方へ顔を向ければ。
そこにいたのは、同じ2年の「柚城 奏」であった。
美空と奏は性格的にも気が合うのだろう。
クラスは違うのだが、顔を合わせればきゃーきゃーと仲良くしていた。
「あっ、奏ちゃん。よかった〜、どこもいっぱいだから助かったよーっ」
たたたと駆け寄りながら、美空は奏にそう答える。
美空は奏の前に空いていた席につく。
そのテーブルは4人で囲み座れるタイプのもの。
そして、美空の目の前。
つまり、奏の隣の席になるのだが。
其処には、3年の「音川 静撫」が座っていた。
あっ、音川先輩だ。
この方は空桜会の副会長をなさっている。
空音お姉様の補佐をされているお方。
美空と静撫の視線が交わった。
「ごきげんよう、神坂さん」
「音川先輩、ごきげんようですっ」
「くすっ、「ごきげんよう」の後に「ですっ」、は付けなくていいのよ」
「あははー、すみません。それがまだ慣れてなくって」
「いいのよ。でも、私達はもう昼食を頂いてしまったわ」
「ねーねー、美空ちゃんっ、今日のランチはね〜・・・」
それはテーブルを囲んで、少女三人による微笑ましい会話だった。
と、其処で静撫はふと思う。
確か美空は転入してきて、まだひと月くらいだったかしら?
・・・と。
だが、静撫には微妙に思い出せなかった。
しかし、そんなことは大した事でもない。
だって、今では当たり前のように、美空はこの学院にいるのだから。
何より空音がこの子を気に入っている。
そんな光景が・・・いつしかあった。
そして、静撫としては学院のエトワールを補佐する立場上・・・それは?
いや、果たして静撫はその事に対して、どんな風に考えているのだろう。
だが、この目の前にいる美空という少女自身は、
とてもいい子なのであるのは違いない。
そうなのだ。そうなのだと。
それは静撫も分かっているつもりだった・・・。
「それでね、美空ちゃんっ♪」
と、奏がぴょこっと弾んだ声で美空に言う。
そして、静撫は美空と奏の仕草を交互に見つめて・・・――
(short.1 「カフェ・ソラシス 後編」に続く)
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