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そらから。 〜so la ka ra〜 short.1 「カフェ・ソラシス 後編」

2008.11.20(Thu)


(そらから。 〜so la ka ra〜 short.1 「カフェ・ソラシス 後編」)


静撫は美空と奏を見つめて。

それから、奏に対して心でつぶやいた。


それにしても、奏・・・あなたって子は。

其処で静撫は小さな溜息ひとつ。

そう、この奏って子は学院の芸能部に所属している。

同時に空桜会にも所属している。

けれど、はっきり言って・・・な に も し な い 。

そう、この子は何もしない。

なのに、その場の空気を楽しげに変えてしまえる。

まったく、どうしてこの子はそんなに・・・可愛らしいのかしら。

分からないわ。私には分からない。


静撫にとって、この奏という少女の魅力。

それは自らにないものとして、あまりに不思議なものであった。

だが、それは羨みとかそういう類の感情ではなくて・・・。

ゆえに、奏と一緒にいると静撫自身はとても和むのだ。

静撫は奏のことが気に入っていた。

だから、もう一人の空桜会メンバーである「高遠 海晴」も交えて、

その三人は、このカフェ・ソラシスでお茶を飲んでいることも多い。

と、空桜会というもの自体も・・・本当の姿は和みやすいものなのだろう。

ただ、そういう会というのは、何だか硬苦しいようなイメージ。

それと面倒そうだなあというイメージ。

そういうものが、まず付き纏っているのも事実であった。

いや、他にも色々と問題もあったりは・・・するらしいが?

とまあ、メンバーも多いとは決して言えない。

今の主要メンバーも、会長でありエトワールの雪月空音。

副会長に音川静撫。

書記長に高遠海晴。

応援担当に柚城奏。

この応援担当とは実はどうなのか、という議論も尽きはしないのであったが。

それは今の話の中では、さしたる問題ではなく。

だが、この会も・・・いつも会長の気まぐれな行動には振り回されているようだ。

ゆえにほとんどの業務は静撫が任されているに等しかった。

しかし、その空桜会とは、

果たしてどのような仕事があるというのだろう?

それは主にパソコンを使ったものなのである。

なので、実は人手自体はさほど必要ではない。

ただ、それを打ち込む作業に手を取られるのであって・・・。

其処で静撫としては、

もう一人くらいメンバーが増えてくれるとありがたい、と常々考えていた。


「そういえば音川先輩。空桜会って、どんなことをしているんですか?」

「えっ・・・もしかして活動に興味あるのかしら?」

「はいっ!」


さあ、その美空の問いに対して。

静撫の掛けている眼鏡はキラーンと光を見せたのだ。

しかし、その時に奏が明らかに動揺を思わせる表情をうかがわせた。


ひゃあー、これはまずいよ〜っ!!


それこそ声には出さずとも、まさに奏はそう言っているのが見て取れるような。


「そういえば奏?あなた・・・ちゃんと覚えてるわよね?」

「びくうっ!?」


そして、その静撫の言葉に、奏はとても「びくうっ!?」としてしまった。

だが、何気に声になっていることは、

静撫にとって、とても可笑しくって可笑しくって。

そして、美空はそんな二人を眺めながら、ふにゃっと笑う。

とても和やかな昼食時、カフェ・ソラシスでの一風景であった。


だが、こんなことばかりしているから・・・

美空は見事に昼食を取れなかったというオチなどは言うまでもない。

午後の授業が始まる・・・。


(short.1 「カフェ・ソラシス」 〜終〜)

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